鼻で呼吸しているつもりでも、無意識のうちに口から空気を吸って吐く、口呼吸をしている人が増えているそうです。口呼吸はさまざまな要因で健康に悪影響を与えるので、鼻呼吸ができるように改善しましょう。
1.呼吸をチェックしてみよう
普段、無意識に行っている呼吸で、自分が鼻から空気を吸っているのか、口から吸っているのかを意識することは少ないでしょう。テレビを見たり、雑誌を読んだり、ボーっとしているときに、気がつけば口が半開きになっている、という人は口呼吸をしている可能性があります。自分が口呼吸かどうかをチェックしてみましょう。 ※ひとつでも当てはまれば、口呼吸をしている可能性があります。
□無意識のうちに口が半開きになる
□唇が乾燥しがち
□朝起きた時にのどが乾燥して痛んだり、口の中がネバネバしている
□起床時に口臭を感じる
□食べるとき、クチャクチャと音を立てる
□片方の歯ばかりでかむクセがある
□鼻の穴を意識して動かすことができない
□横向き、またはうつぶせで寝る、あおむけで寝られない
□いびきをかく
□鏡を見ると、口角が下がっていて口が「へ」の字だ
□口内炎ができやすい
2.鼻呼吸のメリット、口呼吸の悪影響
本来、呼吸は鼻で行うものであり、口で呼吸することは、健康にさまざまな悪影響を与 えます。
【鼻呼吸のメリット】
① 鼻は空気清浄機
空気中にはさまざまな細菌やウイルス、ほこり、ちり、カビなどが漂っています。鼻から呼吸すると、鼻の粘膜や線毛がこれらの空気中の病原菌を除去してくれます。さらに鼻の奥のほうにある扁桃リンパ組織には、病原体に対する免疫を作ったり、病原菌が体内に侵入するのを防ぐ働きをもっています。
② 鼻は加湿器
冷たく乾いた空気も鼻腔で温められ加湿された状態で体内に入るので、のどや肺が潤い、免疫力が高まります。
【口呼吸の悪影響】
① 免疫力の低下
口には鼻のように異物を取り除く線毛などがないので、空気中の細菌やウイルスが取り除かれないまま、直接体に入ってきます。そのため、のどのリンパ組織や肺がダメージを受け、風邪をひきやすくなったり、アレルギー症状の引き金になることもあります。
② 虫歯
歯周病が進行口呼吸をしていると唾液がすぐに乾いてしまいます。唾液の自浄作用が働かないと、細菌の活動抑制や歯の再石灰化ができなくなり虫歯や歯周病を進行させてしまいます。
③ 睡眠が浅くなる
睡眠中に口呼吸すると、舌が落ち込み、のどが狭くなるので、いびきや睡眠時無呼吸症候群を引き起こすこともあります。
【口呼吸を改善しよう】
口呼吸をしている人は、鼻呼吸に切り替えられるように習慣を見直しましょう。
① 意識して鼻呼吸を
常に口を閉じて、鼻だけで呼吸するように心がけましょう。特にテレビやパソコンを 見ているときなど、無意識のときに注意。
② 左右で噛む
口呼吸している人は、左右どちらかで噛むクセがある人が多いので、左右で均等に噛んで食べるように。食べているときに口が開いてクチャクチャ音を立ててしまう人も、口を閉じて食べるようにしましょう。ガムを噛んで訓練するのも効果的です。
③ 仰向けに寝る
うつぶせで鼻を圧迫しないよう、仰向けで寝る習慣をつけましょう。また、枕が高すぎると、空気の通り道を圧迫して口呼吸になりやすいので、ある程度頭が沈むものがよいでしょう。
④ 鼻呼吸促進グッズを使う
眠っているときは無意識のうちに口呼吸になってしまうことも多いので、市販されている鼻呼吸促進グッズを利用するとよいでしょう。鼻に装着して鼻腔を広げるテープなどを使うと手軽です。
⑤ 鼻のかみ方
・反対側の鼻を押さえて、 片方ずつかむ
・鼻水を押し出すために、 しっかり口から息を吸う
・ゆっくり、 少しずつかむ
・最後まで強くかみすぎない
・鼻のまわりを傷付けないように、肌にやさしいティシューを使う
2023年5月8日更新(Slownet)