皆さんお変わりないでしょうか?
帯状疱疹を発症しました 東 陽一
① 4月15日、左側の腰が痛い、いわゆる腰痛を久しぶりに発症。消炎鎮痛剤の塗り薬を塗布して様子を見る。
②翌朝になると左側の痛みは治まったような気がしたが、今度は右側が痛くなってきました。就寝時には腰全体が痛く、
③3日目朝には右側の腰がひどく痛くなってきました。3日目午後からは右脇腹から背骨の後ろあたりまでが痛くなってきました。そのため、虫垂炎や膵臓等の内臓に問題があるのはないかと思い始めじっと我慢の時間が続きました。
④4日目は日曜日でした。右脇腹の痛みは解消せず、静かに一日を過ごしました。
⑤5日目に近くの行きつけの内科クリニックを受診しました。受付で、「右脇腹が2、3日前から痛い」と告げると、すぐ「帯状疱疹かもしれないのでこちらでお待ちください」といつもの待合室とは異なる別室に案内されました。しばらくすると医師が来て、診察。結果は帯状疱疹ということでした。帯状疱疹について医師の話とインターネットの情報をまとめましたので参考にしてください。
帯状疱疹(たいじょうほうしん、Herpes zosterまたはshingles)は、水ぼうそう(水痘すいとうchickenpox)を起こすウイルス(varicella-zoster virus; VZV)と同じウイルスによって起こされる病気です。以前水ぼうそうにかかったことのある人に起こります。一生の間に約15%の人がかかると言われています。ウイルスは、水ぼうそうが治った後も脊椎の神経節に潜んでいて、かぜや疲れ、ほかの内臓疾患など何らかの免疫能力が低下した状況で再活性化し、神経走行に沿って帯状疱疹を発症します。
発疹はたいてい、頚部、胸部から腹部、臀部の片側に帯状に出ることが多いのですが、中には顔や頭など脳神経領域に出てしまう方もいます。ほとんどの場合は外来治療で十分ですが、目の周囲にできた場合は眼科的な処置も必要になりますし、陰部や臀部に生じた場合では膀胱直腸障害(排泄障害)が発生する場合もあります。また全身症状を伴う場合や痛みが強い場合には入院による治療が必要です。帯状疱疹そのものが人に伝染することはありませんが、水ぼうそうにかかっていない人や水痘ワクチンを接種していない幼小児、免疫不全の人に接触すると、水ぼうそうとして伝染し、その人に水ぼうそうを発症させる可能性があります。
帯状疱疹の皮疹は帯状に分布する紅斑から多数の小さな水膨れが生じ、しだいに赤紫色のブツブツとなり、それが潰れて浸出液が出てきます。見た目はとても派手で、痛みが強いのが特徴です。ブツブツが痛みとほとんど同時にでてくると、診断もつけやすいのですが、痛みだけ先に出てくる患者さんもいて、こういうときには診断に苦労します。血清診断はできるのですが時間がかかるので、まず疑うことが大事でしょう。
帯状疱疹には特効薬(*)があるので、診断をつけさえすれば、治療に迷うことはあまりありません。また、たいてい2週間程度で治りますが、皮膚の色素沈着が残ったり、ヘルペス後神経痛というとても痛い後遺症が頑固に続き、ペインクリニックの助けが必要になることもあります。特に60歳以上の患者さんでは、このヘルペス後神経痛に注意しなくてはなりません。
(*アシクロビルaciclovir 800mg x5回服用/日 または塩酸バラシクロビルvalaciclovir hydrochloride 1000mg x3回服用/日)
帯状疱疹は、大人がかかるものと認識されていますが、このごろ外来で若い人たちに見るようになりました。若い人といっても、20歳代で、夜更かししたり食事が不規則だったり不摂生をしたりしているという人だと、帯状疱疹になっても納得がいくのですが、小学校5年生の報告もあります。この頃の子供は、昔よりもいろいろストレスが多いのでしょうか?もっとも、若い人ですと、症状も軽いし、投薬するとすぐに治ります。「帯状疱疹といえば60歳以上の大人の病気」と決め付けてはいけないようです。また帯状疱疹は、たいてい一回ですむのですが、稀に繰り返し起こす患者さんがいます。そういう患者さんでは、他に内臓疾患がないかどうかよく調べる必要があるでしょう。
私は幸い水膨れやブツブツができる前に診断を受けたのでバラシクロビルを7日間服用で痛みも消え、治ることができました。後遺症もありません。
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